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白夜行:日文版-第49章

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 この頃桐原は、例のゲ啷抓恁哎楗啶蛲ㄐ咆湁婴工胧耸陇蚓Aけて、かなりの成果を上げていた。友彦も、プログラムの開発などを手伝っていた。桐原が「助かる」といったのは、自分の事業を展開していくのに、という意味だったのだろう。
 これに対して友彦は、そんなにいうなら自分が進めばいいじゃないか、と桐原にいったことがある。桐原も、友彦に勝るとも劣らないほど理数科の成績がよかったからだ。
 だがこの時彼は、睿Г蛏伽筏窑膜椁护郡瑜Δ市Δ撙蚋·伽俊
「大学に行く余裕があったら、こんな商売やってへんわ」
 この時初めて友彦は、彼が進学しないことを知った。同時に、それならば自分が電気やコンピュ郡沃Rを身につけようと決心した。ただ漠然と進路を決めるより、誰かの役に立つという目的のもとに決定したほうが、進学する意味が濃いと思った。
 また友彦には桐原に対して、何年かかっても返さねばならない恩というものが存在した。あの高校二年の夏の出来事は、今も彼の心に深い傷となって残っている。
 こうした理由から、友彦は専門課程の講義をできるかぎり真面目に受けようと決めたのだが、驚いたことに、彼がそうやってノ趣摔蓼趣幛郡猡韦颉⑼┰悉袱膜藷嵝膜苏iむのだった。そのノ趣文谌荬蚶斫猡工毪郡幛恕熼T書を横に置いたりもしている。桐原は信和大学の講義には一度も出ていないが、まず間摺い胜⒆瞍庵v義内容を理解している人間だった。
 そんな桐原が、このところ興味を持っているものがある。キャッシュカ嗓浈欹弗氓去‘ドなどの、いわゆる磁気カ嗓馈
 最初に手を出したのは、友彦が大学に入学して間もなくの頃だった。きっかけは、友彦がある装置を大学内で目撃したことだ。磁気テ驻舜颏赁zまれた情報を読んだり、その情報を書き換えたりできるその装置は、エンコ扩‘と呼ばれた。
 その装置の話を聞くと、桐原の目の色が変わった。そしてこんなことをいった。
「それを使《つこ》たら、キャッシュカ嗓窝}製なんかも作れるわけや」
「そりゃあ作れるかもしれないな」と友彦は答えた。「けど、作っても意味がないんやないか。キャッシュカ嗓蚴工Δ摔习翟^番号が必要やろ。だからこそ、キャッシュカ嗓趣いΔ韦稀⑼蛞宦浃趣筏皮獍残膜胜螭浃胜い
「暗証番号か」
 その後桐原は黙って何事か考えている様子だった。
 彼がマイコンプログラムの事務所に、ラジカセぐらいの大きさの段ボ胂浃蜻び込んだのは、それから二、三週間が経った頃だ。その箱の中身はエンコ扩‘だった。磁気カ嗓驋啡毪工毪趣长恧ⅳ辍ⅳ饯吻閳螭虮硎兢工毳靴庭毪膜い皮い搿
「そんなものが、よう手に入ったな」
 友彦がいうと、桐原は小さく肩を揺すって笑った。
 この中古のエンコ扩‘を入手して間もなく、桐原は一枚のキャッシュカ嗓騻卧欷筏俊¥饯违辚弗圣毪趣胜盲骏‘ドが、誰のものなのかは友彦も知らない。何しろ桐原の手元にあったのは、ほんの数時間だけだったのだ。
 桐原はそれを使って、二十数万円の金を二回に分けて引き出したようだった。驚くことに彼は、磁気カ嗓藭zまれている情報から、暗証番号を解読していたのだ。
 だがこれには少しからくりがあった。じつはエンコ扩‘を入手する以前から、桐原は磁気カ嗓违靴咯‘ンを読むことに成功していたらしいのだ。
 特別な機械を用いないで、どうやってパタ螭蚪庹iするか。一度だけ桐原が実演して見せてくれたことがある。それはまさにコロンブスの卵だった。
 彼が用意したのは磁石の微粉末だ。それをカ嗓未艢莶糠证摔栅辘堡俊igもなく友彦は、あっと声を上げた。
 磁気テ撞糠证恕⒓殼たc模様が浮かび上がってきたのだ。
「結局はモ毳剐藕扭撙郡い胜猡韦洹工韧┰悉い盲俊!赣琛钉ⅳ椁浮筏岚翟^番号のわかっているカ嗓摔长ΔいΔ长趣颏筏皮毪Δ沥恕ⅴ靴咯‘ンの意味が読めてきた。となると、今度はその逆や。暗証番号がわからんでも、パタ螭蚋·婴ⅳ椁护郡榻庹iできる」
「すると拾ったり盗んだりしたキャッシュカ嗓狻ⅳ长螭胜栅Δ舜攀畏郅颏栅辘堡郡椤
「使えるということやな」
「なんと……」友彦は後に続く言葉が思いつかなかった。
 そんな彼の様子がおかしかったのか、桐原が珍しく心底愉快そうに笑った。
「笑《わろ》てしまうわなあ。これのどこが安全やねん。銀行員はよう、通帳と印鑑を別々に保管してくれというけど、キャッシュカ嗓趣いΔ韦稀⒔饚欷孺Iが一緒になってるようなものや」
「こんなことでいいと思ってるのかなあ」
「たぶん一部の関係者は知ってるんやろ。これがかなりやばい代物やということをな。けど、もう引っ込みがつかへんから黙ってるんや。ビクビクしながらな」桐原は、また笑い声を上げた。
 だが桐原は、この秘密の技術を、すぐには活用しようとしなかった。本業のマイコンプログラム製作が忙しかったせいもあるが、何より、他人のカ嗓胜伞ⅳ饯唴gには手に入らないということがあった。使ったのは、エンコ扩‘を入手した直後に、どこかのキャッシュカ嗓蜓}製した時だけだった。しばらく、彼がカ嗓卧挙颏工毪长趣悉胜盲俊
 ところが今年になって、桐原がこんなことをいいだした。
「考えてみたら、他人のキャッシュカ嗓蚴证巳毪欷氡匾胜螭胜い螭浃省瓜沥な聞账恰⒐扭婴骏譬‘ブルに向かってインスタントコ药‘を飲んでいる時のことだ。
「どういう意味や」と友彦は訊いた。
「要するに必要なのは現存する口座番号であって、暗証番号ではない。まあ考えてみたら当たり前のことやった」
「よくわからんな」
「つまりや」桐原は椅子にもたれ、テ芝毪俗悚颏韦护俊¥饯筏平摔ⅳ盲棵踏蚴证巳·盲俊!袱长欷颔悭氓伐濂‘ドとする。このカ嗓驒C械に入れたら、機械は磁気テ驻私Mみ込まれた、いろいろな情報を読み取る。その中の一つが口座番号と暗証番号や。当然のことやけど、機械にはカ嗓蛉毪欷咳碎gが本人かどうかはわからん。それを判断するために、暗証番号を押せという。磁気テ驻擞涘hされた番号と同じ数字が押されたら、疑うことなく要求された金を吐き出す。ということは、磁気テ驻撕韦庥涘hされていない白紙のカ嗓虺证盲皮啤ⅳ饯长丝谧扭胜螭伪匾马棨蛴涘hし、最後に適当な暗証番号を入れたらどうや」
「あっ」
「そうやって作ったカ嗓稀ⅳ猡沥恧蟊疚铯趣夏谌荬‘う。暗証番号が摺盲皮毪铯堡洹¥堡嗓饯欷驒C械に判定する力はない。機械が確認するのは、磁気テ驻擞涘hされた番号と、人間が押す番号が一致するかどうかということだけや」
「じゃあ実在する口座番号がわかったら……」
「いくらでも偽物のキャッシュカ嗓蜃鳏欷毪趣いΔ长趣摔胜毪省挝铯浃堡伞⒔黏悉沥悚螭趣恧护搿雇┰洗饯味摔蚯菠俊
 友彦は全身に鳥肌が立った。今桐原がしゃべっていることが、決して夢物語でないということを理解したからだった。
 それから二人で、偽のキャッシュカ嗓蜃鳏晔激幛卡D―。
 まずカ嗓擞涘hされているコ嗓蚋膜幛品治訾筏皮撙俊¥饯谓Y果、始め符号、IDコ伞⒊姓Jコ伞翟^番号、銀行コ嗓胜嗓淞肖丹欷皮い毪长趣蛲护工幛俊
 次に、銀行のゴミ箱に捨てられた他人の口座の利用明細を多数拾い、突き止めた法則性にしたがって、口座番号や適当に決めた暗証番号を七十六桁の数字とアルファベットに変換した。
 あとはそれをエンコ扩‘を使って磁気テ驻舜颏赁zみ、プラスチックカ嗓藦垽辘膜堡欷型瓿嗓扦ⅳ搿
 先程、友彦が現金を引き出すことに成功した白いカ嗓ⅳ饯瓮瓿善返谝缓扭坤盲俊¥い膜挨盲坷妹骷殼沃肖椤⒆瞍獠懈撙啶た谧蜻xんだのだ。そのほうが発覚しにくいというのが桐原の意見だった。友彦も同感だった。
 間摺い胜缸铯坤盲郡⒂蜒澶俗飷櫢肖悉胜盲俊R护膜摔稀卧欹‘ドを作るまでの経過が、あまりにもゲ嗟膜坤盲郡椁猡筏欷胜ぁ¥蓼俊⒔黏虻沥嘞嗍证姢à胜い护い猡ⅳ毪坤恧Α¥坤韦瑜辍⑼┰椁い膜饴劋丹欷皮い胙匀~が、頭に染みついていることが大きかった。
「落ちてるものを拾うのと、置き引きと、どう摺Γ俊〗黏稳毪盲骏啸螭颉ⅳ埭螭浃曛盲い趣郅Δ瑦櫎い螭冗‘うか。この世は隙を見せたほうが負けや」
 この台詞を聞くたびに、戦慄《せんりつ》と共に、ぞくぞくするような快感も、友彦は覚えるのだった。

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 大学の四講目が終わると、友彦はすぐに事務所に向かった。事務所といっても、特に看板を掲げているわけではない。古いマンションの一室を、それに充てているだけだ。
 友彦にとって、様々な思い出のある部屋である。初めて来た時には、自分が
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