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白夜行:日文版-第19章

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「おまえ、清華の女子生徒の写真を撮ってるそうやな」熊沢は濁った眼球で、雄一の顔をじろりと見た。
「あっ、いえ……」突然の指摘に、雄一は口ごもってしまった。肯定したも同然だ。
「まったく」熊沢は舌打ちをして立ち上がった。「ばかたれがつまらんことしくさって。学校の恥じゃ」そして、ついてこいとばかりに顎をしゃくってから立ち上がった。
 応接室で待っていたのは三人の男だった。一人はいつか屋上で出会った生徒指導の教師だ。教師は眼鏡の奥から、じろりと雄一のことを睨みつけてきた。
 後の二人は知らない男たちだった。一方が若く、もう一方が中年だ。どちらも盲荬さ匚钉时硯冥蜃扭皮い俊¥长味摔淌陇椁筏ぁ
 熊沢が雄一のことを彼等に紹介した。その間刑事たちは彼のことを、爪先から頭の先まで舐めるように観察していた。
「清華女子学園中等部の近くで生徒の写真を盗み撮りしとったというのは君か」中年の刑事が訊いてきた。穏やかな口眨寺劋长à毪⒌驻摔长猡盲科啶撙辖處煠郡沥摔悉胜い猡韦坤盲俊¥长紊坤堡切垡护蠚莩证沥sしてしまった。
「いえ、あの……」舌がもつれそうになった。
「向こうの生徒が見てるんや、君のその名札をな」刑事は雄一の胸元を指差した。「わりと変わった名字やから、記憶に残ったらしい」
 まさか、と雄一は思った。
「どうなんや。正直にいうたほうがええで。写真を撮ってたんやろ?」刑事は重ねて訊いた。隣で若い刑事も雄一を睨みつけてくる。生徒指導の教師は苦りきっていた。
「はい……」雄一は仕方なく頷いた。熊沢が大きくため息をついた。
「おまえは、そんなことして、恥ずかしないんか」生徒指導の教師が吃りがちにいった。後退した額が赤くなっていた。
「まあまあ」中年刑事は教師をなだめるしぐさをしてから雄一のほうに目を戻した。「写真を撮る相手は決まってるのか」
「はあ」
「名前は知ってるな」
 はい、と雄一は答えた。声がかすれた。
「ここに名前を書いてくれへんか」刑事は白いメモ用紙とボ毳讠螭虺訾筏俊
 雄一はそこに、『唐沢雪罚А护葧い俊P淌陇悉饯欷蛞姢萍{得した顔をした。
「ほかには?」刑事は訊いた。「ほかにはおれへんのか。この子を撮ってただけか」
「そうです」
「この子が君のお気に入りというわけか」刑事は意味有りげに薄笑いをした。
「俺の……僕のお気に入りというより、友達のお気に入りなんです。それで僕が写真を撮ってやってただけです」
「友達の? なんでわざわざ君が撮ってやるんや」
 雄一は俯き、唇を噛《か》んだ。それを見て刑事は、何かに気づいたようだ。
「ははあ」刑事はおかしそうにいった。「その写真を売るわけか?」
 いい当てられ、雄一はぴくりと身体を動かしてしまった。
「おまえというやつは」熊沢が吐き捨てるようにいった。「あほか」
「写真を撮ってたのは君だけか。ほかに同じようなことをしていた者はおれへんのか」中年の刑事が訊いてきた。
「知りません。いないと思います」
「すると時々清華のグラウンドを覗いていたのも君か。よう覗いている者がいたと、あちらの生徒さんたちがいうてるんやけどな」
 雄一は顔を上げた。「それは僕と摺い蓼埂1镜堡扦埂Wは写真を撮ってただけなんです」
「すると覗いていたのは誰なんやろ? 君、心当たりはないか」
 それは牟田たちだろうと思ったが、雄一は黙っていた。しゃべったことが後で連中にばれたら、どんな目にあわされるかわかったものではなかった。
「心当たりはあるけど、いいたくないという感じやな。下手に隠したら君のためにようないんやけどなあ。まっ、ええやろ。そしたら昨日の放課後からの行動を、できるだけ詳しく話してもらおか」
「えっ」
「昨日の行動や。どうした? いわれへんのか」
「いったい何があったんですか」
「あきよしっ」熊沢が怒鳴った。「訊かれたことに答えろ」
「まあいいじゃないですか」ここでもまた中年刑事が、興奮気味の教師をなだめた。刑事はかすかに笑みを浮かべて雄一を見た。「清華の近くで、あそこの女子生徒が悪戯《いたずら》されそうになったんや」
 雄一は顔が強張るのを感じた。「僕、何もやってません」
「君が犯人やというてるわけやない。ただ先方の生徒さんの口から、君の名前が出てきたからねえ」刑事は相変わらず穏やかな口眨扦い盲俊¥坤饯窝匀~の下には、現時点ではおまえのことを最も疑っているのだぞというニュアンスがこめられていた。
「僕、知りません。本当に……」雄一は首を振った。
「だったら、昨日どこで何をしていたか、話せるんやないのかな」
「昨日は……学校の帰りに、本屋とレコ晌荬思膜辘蓼筏俊
 思い出しながら雄一はいった。それが六時過ぎで、その後はずっと家にいたのだ。
「家では御家族と一緒?」
「はい。母と一緒でした。九時頃には父も帰ってきました」
「家族以外の人はいなかったわけや」
「はあ……」答えながら雄一は、家族の証言ではだめなのかなと思った。
「さて、どうするかな」中年の刑事は、隣にいる若い刑事に相談するように呟いた。「写真を撮ったのも自分のためやないと秋吉君はいうてるわけやけど、その言葉を信用する根拠もないしなあ」
「そうですね」若い刑事は同意した。口元に嫌な薄笑いが滲《にじ》んでいた。
「本当に友達のために撮ったんです」
「そしたら、その友達の名前を教えてもらおか」中年刑事がいった。
「えっ……」
 雄一は迷った。ここで黙り続けて、妙な疑いをかけられるのは嫌だった。
 その時、絶妙のタイミングで刑事はいった。「大丈夫や。君がしゃべったことは誰にもいわへんから」
 まるで雄一の心を見透かしたような一言だった。この台詞で、彼は決心した。
 雄一はおそるおそる牟田の名前を口に出した。それを聞いた途端、生徒指導の教師がうんざりした顔を見せたのは、何か問睿黏繒rに、必ず出てくる名前だったからだろう。
「清華のグラウンドを覗いてた者の中にも、牟田君は入ってたのかな」中年刑事は訊いた。
「それは、わかりません」雄一は、ぱりぱりに乾いた唇を舐めた。
「牟田君に頼まれたのは唐沢さんの写真だけ? ほかの女の子の写真は頼まれへんかったのかな」
「ほかには、ええと」どうしようかなと思ったが、雄一は隠さずに話すことにした。ここまできたら、もう同じだ。「最近になって、もう一人頼まれました」
「どういう子かな」
「フジムラミヤコという子です。僕はよう知らんのですけど」
 この瞬間、部屋の空気がぴんと張りつめたように雄一には感じられた。刑事の顔つきにも変化があった。
「それで、その子の写真は撮ったんか」低い声で訊いてきた。
「まだです」
 そう、と刑事は頷いた。
「もう撮りに行くなよ」熊沢が横から怒りを含んだ声でいった。「そんなあほなことをするから、妙な疑いをかけられるんや」雄一は黙って頷いておいた。
「もう一つ確認しておきたいことがあるねん」刑事がビニ氪虺訾筏皮俊!袱长沃肖韦猡韦蛞姢郡长趣悉胜い
 袋の中には小さな達磨が入っていた。雄一は驚いた。それは菊池が持っていたキ邾毳扩‘の飾りに間摺い胜盲俊
「知ってるようやな」刑事が彼の表情に気づいていった。
 またしても雄一は心が揺れた。これが菊池のものであるといえば、どういう事態を招くことになるのだろう。今度は菊池が疑われることになるのだろうか。しかしここで下手に嘘をつくと、益々まずいことになるかもしれない。それにこれが菊池のものだということは、自分がしゃべらなくてもいずれわかるかもしれないのだ――。
「どうや?」刑事が机をこつこつと指先で叩きながら促してきた。その音が針のように雄一の心をちくちくと刺した。
 雄一は唾を飲み込むと、その小さな達磨の持ち主の名前を小声でいった。

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[#ここで字下げ終わり]

 クラブ活動等の理由で学校に残る場合も、遅くとも五時までには下校すること――こういう通達が出されたのは、木曜日の朝のことだった。ホ啷氅‘ム時にも、担任教師がそのことを念押しした。
 当然だろうな、というのが川島江利子の感想だ。一昨日の出来事を考えれば、五時どころか、放課後すぐに生徒全員を帰すべきだと思った。
 しかし他の生徒たちは、この突然の指示に不平を漏らすだけだった。というのも一昨日の事件のことは、見事なまでに隠蔽されていたからだ。あの夜、学校の近くの偅龓欷呛韦黏长盲郡⒈伺郡沥先椁胜盲俊
 無論、いくつかの憶測が流れ、その中には事実と多少似通ったものもなくはなかった。たとえば、「変伲撙い啤⑾滦M局肖苏lかが悪戯されそうになった」というものだ。だがこの噂にしても、誰かが学校側の通達から推理して生み出したものに摺い胜盲俊=處煠郡沥
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