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白夜行:日文版-第121章

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ぐった。
 トラックの並ぶ駐車場を横切り、建物に入った。すぐ右側に小さな受付があった。四十歳くらいの女性が何か書きものをしていた。彼女は顔を上げて笹垣を見ると、怪訝そうに眉を寄せた。
 笹垣は名刺を出し、篠塚一成さんに会いたいのだがといった。受付の女性の顔は、名刺を見ても和まなかった。肩書きのない名刺では、警戒を解く気になれないようだ。
「専務とは会う約束をされているわけですか」彼女が訊いてきた。
「専務?」
「ええ。篠塚一成は、うちの専務ですけど」
「ははあ……はい、ここへ来る前に電話しました」
「ちょっとお待ちください」
 女はそばの受話器を取り上げた。篠塚の部屋にかけているようだ。二言三言話した後、彼女は受話器を置きながら笹垣を見た。
「部屋に直接おいでくださいということです」
「ああ、そうですか。ええと、お部屋はどちらでしょう」
「三階です」そういうと彼女はまた書きものを始めた。見ると、年賀状の宛名書きをしているのだった。彼女のものと思われるアドレス帳を横で広げているところをみると、会社から出すものではなさそうだ。
「あのう、三階のどこですか」
 笹垣が訊くと、彼女は露骨にうんざりした顔を見せた。持っていたサインペンで、彼の後方を指した。
「この奥のエレベ郡藖って、三階に行ってください。廊下を歩けば、ドアの上に専務室という札が出ています」
「ああ、どうも」笹垣は頭を下げたが、彼女はすでに自分の作業に入っていた。
 いわれたように三階に行くと、なぜ彼女があれほど面倒臭そうにいったのかがわかった。ロの字形の廊下が一本あり、それに面して部屋がずらりと並んでいるという簡単な配置だったからだ。笹垣はドアの上の札を見ながら廊下を歩いた。一つ目の角を曲がってすぐのところに、専務室と書かれたプレ趣訾皮い俊9G垣はノックをした。
 どうぞ、という声が聞こえた。笹垣はドアを押し開いた。
 窓を背に、篠塚一成が立ち上がったところだった。茶色のダブルのス膜蜃扭皮い俊
「やあ、どうも。お久しぶりです」一成はにこやかに笑いかけてきた。
「御無沙汰《ごぶさた》しております。お元気でやっておられましたか」
「まあ、なんとか生きてますよ」
 部屋の中央に応接セットが置かれていた。一成は二人掛けのソファを笹垣に勧め、自分は一人用の肘掛《ひじか》け椅子に座った。
「いつ以来ですかね、お会いするのは」一成が訊いてきた。
「去年の九月です。篠塚薬品の来客室で」
「そうでしたね」一成は頷いた。「あれから一年以上経ちますか。早いものですね」
 その間笹垣は電話で彼と話はしていた。だが会うのは、あの時以来である。
「今回も一旦篠塚薬品のほうに連絡させていただいたんですけど、こちらに移られたとお聞きしました」
「ええ、まあ、この九月からですけど」一成は少し目を伏せた。何かをいいたそうな顔つきだった。
「専務さんとは驚きました。すごい出世やないですか。お若いのに大したもんですなあ」笹垣は語尾に感嘆符を付けていった。
 一成は顔を上げた。かすかに苦笑していた。「そう思われますか」
「思いますよ。摺Δ螭扦工
 一成は何もいわずに立ち上がり、仕事机の電話を取った。
「コ药‘を二つ持ってきてくれ。うん、至急だ」
 彼は受話器を置くと、そのままの姿勢でいった。
「前に電話でお話ししたと思いますが、従兄《いとこ》の康晴がとうとう結婚しました」
「十月十日、体育の日でしたな」笹垣は頷いた。「さぞかし派手なお式やったのでしょうなあ」
「いえ、地味なものでしたよ。教会で式を挙げた後、都内のレストランで身内だけの披露宴をしました。どちらも再婚だから、あまり目立つことはしたくなかったようです。それに従兄のほうには子供もいますしね」
「篠塚さんも出席されたんでしょう?」
「それはまあ、親戚ですからね。だけど」彼は再び椅子に腰掛けた。ため息を一つついて続けた。「あの二人としては、あまり招待はしたくなかったかもしれない」
「直前まで反対したとおっしゃってましたね」
 ええ、と一成は頷き、笹垣のほうを見つめてきた。真剣な思い、切実な思いが、その目には込められていた。
 笹垣は、この春頃まで、篠塚一成とかなり密接に連絡を取り合っていた。一成のほうは唐沢雪罚Г伪拘预蛱饯胧证辘蚯螭幛皮い郡贰⒐G垣は桐原亮司の気配を感じさせるものがないかどうかを知りたかったのだ。だがどちらも決定的な情報を得ることはできなかった。そのうちに篠塚康晴は唐沢雪罚Г然榧sしてしまったのだ。
「せっかく笹垣さんとお知り合いになれたのに、彼女の本当の姿を暴くことは最後まで出来ませんでした。従兄の目を覚ますことも叶《かな》いませんでした」
「無理ないでしょうな。そんな眨婴墙瘠蓼恰ⅳ郡丹螭文肖_《だま》されてきました」笹垣は続けた。「私もその一人です」
「十九年……でしたっけ」
「そう、十九年です」笹垣は煙草を取り出した。「吸ってもよろしいですか」
「ああ、どうぞ」クリスタルの灰皿を一成は笹垣の前に置いた。「それで笹垣さん、前から何度も電話でお願いしましたが、今日はすべてを話していただけるんでしょうね。その十九年の長い物語を」
「ええ、もちろん今日はそのために伺わせてもらったようなもんです」笹垣は煙草に火をつけた。その時、ノックの音がした。
「ちょうどよかった。コ药‘が届いたようだ」一成は腰を上げた。
 やたらに分厚いカップに入ったコ药‘を飲みながら、笹垣は話を始めた。あの建築途中で放置された廃ビルで死体が見つかったところからだ。容疑者が次々に変わり、結局最後に捜査陣が目をつけた寺崎忠夫の事故死により、捜査は事実上終結してしまった顛末《てんまつ》を、時には詳しく、時にはかいつまんで説明した。篠塚一成は最初こそコ药‘カップを手に持っていたが、途中でそれはテ芝毪酥盲⑼蠼Mみをした姿勢で聞き入った。西本雪罚Г蚊挨訾皮毪趣长恧扦稀⒆悚蚪Mみ直し、深呼吸を一つした。
「……とまあ、ここまでが伲輾ⅳ肥录胃怕预扦埂构G垣はコ药‘を飲んだ。それはすっかりぬるくなっていた。
「そのまま迷宮入りしたわけですか」
「まあ、いきなりそこまでは行きませんけど、新しい証言なり情報なりはどんどん減っていくわけですから、迷宮入りも時間の問睿趣い﹄儑鞖荬悉ⅳ辘蓼筏俊
「でも笹垣さんは諦めなかった」
「いや、正直なところ、半分諦めてました」
 コ药‘カップを置き、笹垣は話の続きを始めた。

 笹垣がその記述に気づいたのは、寺崎忠夫が事故死してから一か月ほどが経った頃だった。寺崎が犯人だという物証を見つけることもできず、ほかに有力な容疑者を見つけることもできないという状態が続き、捜査本部内には一種の倦怠感《けんたいかん》が漂っていた。捜査本部自体が解散されるという話もあった。オイルショックにより世間全体に殺伐とした空気が流れており、強盗、放火、誘拐といった凶悪事件が続いていた。たった一つの殺人事件に、いつまでも多くの人員を割いていられないというのが、大阪府警上層部の正直な気持ちであったろう。しかもその犯人は、すでに死んでいるのかもしれないのだ。
 笹垣にしても、ここまでかもしれないな、という思いを抱き始めていた。彼はそれまでに迷宮入りを三度ほど経験していた。迷宮入りする事件には、独特の雰囲気がある。何もかもが混沌《こんとん》としていて、どこから手をつけていいかわからないという場合よりも、一見簡単に犯人が割れそうに思える時ほど、そういう結果に終わるおそれが多いのだ。そしてこの時の伲輾ⅳ筏稀ⅳ饯Δ筏坎患孰儑鞖荬虺证盲皮い俊
 だからこの時笹垣がそれまでの眨麜蜃畛酩檎iみ直していたのも、単なる気まぐれというのが正直なところだった。それほど打つ手がなくなっていたのだ。
 殆ど斜め読みに近い形で、彼は膨大な数の眨麜四郡蛲à筏皮い盲俊J郡丹螭ⅳ毪椁趣い盲啤⑹证辘啶い铯堡扦悉胜ぁ¥啶筏怼⒔沟悚味à蓼椁胜葨摔Aいたせいで、無意味な報告書が増えたともいえた。
 頁をめくる笹垣の手が止まったのは、死体を発見した少年の話を記録した供述眨麜蛞姢繒rだった。少年の名前は菊池道広。年齢は九歳とある。少年はまず小学五年生の兄に教えた。その兄が死体を確認した後、母親に知らせたらしい。実際に警察へ通報したのは彼等の母親の知子であることから、その眨麜暇粘啬缸婴卧挙颏蓼趣幛啃韦摔胜盲皮い俊
 そこに書かれている死体発見の経緯については、笹垣もよく知っていることだった。ビルのダクト内を移動する、『タイムトンネルごっこ』と呼ばれる撸Г婴颏筏皮い胱钪小⒌缼冥坤堡匍gとはぐれ、でたらめに動き回っているうちに、ある部屋に到達した。ところがそこには男の人が倒れ
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