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白夜行:日文版-第116章

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 十九年前――伲輾ⅳ筏我患摔膜い皮馈
「寺崎の周辺をなんぼ探しても、桐原が持ってた百万円は見つからんかった。隠したんやろと主張する者もおったが、わしはそうは思わん。あの頃、寺崎は借金で苦しんどった。もし百万円があったら、どこかに流しとったはずや。それをしてへんということは、理由は一つしか考えられへん。そんな金はどこにもなかった。つまり桐原を殺してもおらんというこっちゃ」
「その意見には基本的に賛成です。あの時もそう思うたから、寺崎が死んだ後も、おやじさんと一緒になって歩き回りました。けどねえ、おやじさん、もう二十年です」
「時効は過ぎてる。それはわかってる。わかってるけど、あの事件だけは、かたをつけんと死んでも死にきれんのや」
 空になった笹垣の猪口に古賀が酒を注ごうとした。笹垣はそれを制し、古賀の手から徳利を奪い取った。そしてまず古賀の猪口に酒を満たし、それから自分の分を注いだ。
「たしかにお宮入りしたのは、あの事件だけやない。ほかにもっと大きな事件や残酷な事件で、結局犯人の尻尾《しっぽ》の毛にも手が届けへんかったということは多々ある。どの事件も悔しい。死ぬほど情けない。けど、特にあの伲輾ⅳ筏司小钉长坤铩筏毪韦摔侠碛嗓ⅳ搿¥ⅳ问录扦铯筏椁筏袱盲郡肖盲辘恕⒔Y果的に、関係のない人間を何人も不幸にしたような気がするんや」
「どういうことです」
「あの時に摘み取っておくべき芽があったんや。それをほったらかしにしておいたから、芽はどんどん成長してしもた。成長して、花を咲かせてしまいよった。しかも悪い花を」笹垣は口元を歪《ゆが》め、酒を流し込んだ。
 古賀がネクタイを緩め、シャツの第一ボタンを外した。「唐沢雪罚Г韦长趣扦工
 笹垣は上着の内ポケットに手を入れた。折り畳んだ紙を取り出し、古賀の前に置いた。
「何ですか、これは」
「まあ、見てみろや」
 古賀は紙を広げた。濃い眉《まゆ》の間に皺《しわ》が刻まれた。
「『R&Y』大阪店オ抓蟆长欷稀
「唐沢雪罚Г蔚辘洹4螭筏郡猡螭浃省¥趣Δ趣Υ筅妞顺訾工椁筏ぁP臄葮颏洹¥筏庖姢皮撙ぁ⒔衲辘违辚攻蕙攻ぅ证衰‘プンと書いてある」
「これを悪い花やというんですか」古賀はパンフレットを奇麗に畳み直し、笹垣の前に置いた。
「これは花の実というところかな」
「いつ頃でしたかね、おやじさんが初めて唐沢雪罚Г艘嗓い文郡蛳颏堡郡韦稀¥い洹ⅳⅳ雾暏悉蓼牢鞅狙┓'やったか」
「まだ西本の頃や。桐原洋介が殺された翌年、西本文代が死んだやろ。あれがきっかけやな。あの事件を境に、あの娘を見る目が変わった」
「あれは事故死ということで処理されたんでしたね。しかしおやじさんは最後まで、単なる事故死やないと主張してはりましたな」
「断じて事故死なんかと摺Α蟾鏁摔瑜毪取⒈缓φ撙悉栅坤箫嫟蓼缶皮蝻嫟摺L邪薬を通常の五倍以上も服用しとった。そんな事故死があるかい。残念ながら、うちの班の担当やなかったから、下手な口出しはでけへんかった」
「一応自殺説も出たはずです。しかしあれは結局……」古賀は腕組みをした。記憶を探る顔をしている。
「雪罚Г卧^言や。母親は風邪をひいてたとか、寒気がする時にはカップ酒を飲んでたとかいいよった。それが自殺説を打ち消すことになった」
「娘が嘘の証言をするとは思いませんからね、ふつう」
「けど、雪罚б酝猡握l《だれ》も、文代が風邪をひいてたとはいうとらん。嘘の可能性もあったわけや」
「何のために嘘をつくんです? 雪罚Г趣筏皮稀⒆詺ⅳ扦馐鹿胜扦獯螭筏剖虑椁蠅浃铯椁螭韦冗‘いますか。過去一年以内に文代が生命保険にでも入ってたのなら、保険金が欲しかったということになるかもしれませんけど、そんな話はなかった。第一、当時はまだ小学生の雪罚Г饯长蓼扦峡激à丐螭扦筏绀Α工饯长蓼扦筏悚伽盲皮楣刨Rは、はっと気づいたような顔をした。「まさか、文代を殺したのも雪罚Г洹ⅳ趣いΔ螭浃胜い扦筏绀Δ汀
 古賀は冗談口眨坤盲郡⒐G垣は笑わなかった。
「そこまではいわんけど、何らかの作為が入ってたかもしれん」
「作為て……」
「たとえば、母親が自殺する予兆は感じてたけど気づかんふりをしてた、とかや」
「雪罚Г衔拇嗡坤蛲螭扦郡趣いΔ铯堡扦工
「文代が死んで間もなく、雪罚Г咸茮g礼子の養女になってる。もしかしたらもっと以前から、その話はそれとなくあったのかもしれん。文代は拒んでたけど、雪罚ё陨恧橡B女に出たいと思ってたということは十分に考えられる」
「でも、だからというて、じつの母親を見捨てますか」
「あの娘はそういうことを平気でする人間なんや。それともう一つ、母親が自殺したことを隠す理由がある。もしかすると、あの娘にとってはこっちのほうが大きかったかもしれん。それはイメ袱洹D赣Hが事故死したとなると世間の同情をひく。ところが自殺したとなると、何かあったんやないかと色眼鏡で見られる。将来を考えた場合、どっちを取ったらええかは明白やろ」
「おやじさんのいうこともわかりますけど……やっぱりちょっと受け入れにくい話やなあ」古賀は日本酒を二本、追加注文した。
「わしにしても、あの頃すぐにここまで考えが及んだわけやない。唐沢雪罚Г韦长趣蜃筏い堡皮毪Δ沥恕⑿臁─摔长螭胜栅Δ丝激à蓼趣蓼盲皮郡螭洹¥谩ⅳ长欷现激い省:韦浃怼ⅳ长翁禧熈_《てんぷら》は」小さなかき揚げを箸で挟み、眺めた。
「何やと思います?」古賀がにやにやした。
「わからんから訊いとるんやないか。何やろな。食べたことのない味や」
「それはね、迹工扦埂
「迹梗俊·ⅳ胃盲慷工
「そうです」古賀は笑いながら猪口を口元に撙螭馈!讣{豆嫌いのおやじさんでも、これやったら食べられるやろと思いましてね」
「ふう蟆ⅳ长欷ⅳ韦嗓恧嗓恧渭{豆か」匂いをかぎ、もう一度眺めてから口に入れた。香ばしさが口に広がる。「うん、旨いわ」
「何事も先入観を持ってたらあかんということですな」
「そういうことやな」笹垣は酒を口に撙帧1持肖氦い证螭扰蓼盲皮い俊!袱饯Δ洹⑾热胗Qや。それがあったばっかりに、わしらはえらい間摺い颏筏扦筏俊¥ⅳ窝┓'という娘がただの子供やないと思い始めてから、あの伲輾ⅳ筏摔膜い皮猡σ换匾娭堡筏皮撙郡椤ⅳ趣螭扦猡胜ひ娐浃趣筏颏筏皮郡长趣藲荬扭い俊
「何ですか」古賀が真剣な目をして訊いた。
 その目を見返して、笹垣はいった。「まず、足跡や」
「足跡?」
「あの死体が見つかった現場の足跡や。床も埃《ほこり》だらけやったから足跡がたくさん残っとった。ところがその足跡に、わしらは殆ど関心を示さんかった。その理由を覚えてるか?」
「犯人のものらしき足跡が見つからなかったから、でしたね」古賀は答えた。
 笹垣は頷《うなず》いた。
「現場に残されてたのは、被害者の革靴の跡以外には、子供の邉友イ污Eばっかりやった。あそこは子供が撸Г訄訾耸工Δ皮郡贰⑺捞澶虬k見したのも大江小学校の児童やから、子供の靴跡があるのは当然と考えられていた。しかし、そこにこそ落とし穴があった」
「犯人も子供の邉友イ蚵膜い皮い俊ⅳ趣いΔ长趣扦工
「そのことを全く考えへんかったのは迂闊《うかつ》やったとは思わんか」
 笹垣の言葉に、古賀は口元を歪めた。手酌で自分の猪口を満たし、一気に飲み干した。「あの殺しは子供には無理でしょう」
「子供やから可能という見方もできるで。被害者は油断しとったやろからな」
「しかし……」
「それと、もう一つ見逃したことがある」笹垣は箸を置き、人差し指を立てた。「アリバイのことや」
「何か抜けがありましたか」
「西本文代に目をつけた時、文代のアリバイが確認されたら、今度は共犯の男がおるんやないかというふうに発想した。それで寺崎の名前が出てきたわけやけど、その前に目を向けるべき相手がおった」
「あの時雪罚Г悉郡筏构刨Rは顎《あご》を撫《な》で、視線を上に向けた。「図書館に行っていたんでしたね」
 笹垣は年下の警視の顔を見返した。「よう覚えてたな」
 古賀は苦笑した。「おやじさんも自分のことを、実務のできん点取り屋やと思うてはりましたか」
「いや、そうやない。刑事の誰一人として、あの日の雪罚Г涡袆婴摔膜い皮限猡螭扦胜い人激皮郡椁洹¥ⅳ螭郡韦いΔ趣辍⒀┓'は図書館に行ってた。しかもよくよく眨伽皮撙郡椤ⅳ饯螄頃^と現場のビルは目と鼻の先やった。雪罚Г摔筏皮撙郡椤頃^からの帰り道の途中に、例のビルがある感じや」
「おやじさんのいいたいことはわかりますけど、何というても小学五年生でしょう。五年生というたら――」
「十一歳。十分に知悾虺证盲趣肽觏暏浃省构G垣はセブンスタ蜗浃虺訾贰⒁槐緬iき取って口にくわえた。マッチを探す。
 古賀の手が素早く伸びてきた。ライタ虺证盲
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